伝える姿勢 相手がわからないことをわかってしゃべるという境地

伝える姿勢 相手がわからないことをわかってしゃべるという境地

昨日は札幌で出会った、尊敬するある経営者のかたと

僕が『心』の道を歩むきっかけをくれた恩師をつなぐ場をもちました。

恩師は日本全国を周りながら、

朝7時前から夜も22時ぐらいまで、

スケジュールを見ると引いてしまうぐらい、

休みなく動かれている方です。

『日本を立ち上がらせる』

そのミッションを持ちながら23年間、活動をされています。

ちょうど先週の金曜日から明日までの札幌への滞在。

土日はセミナーを挟みながら、

前後でも沢山のかたとお会いになられています。

そんななかでの出会いの一幕に同席しながら

とても印象的なシーンがありましたので、

文章にしてみたいと思います。

目次

何のために伝えるのか?

伝える、教えるときに皆さんは何を大事にされていますでしょうか?

わかってもらうために

相手がイメージをしやすい単語で伝える。

誤解をされないように、わかりやすく。

これって、すごく大事なことだし、

私も人に伝える仕事をしてきたので、

ずっと意識をしてきたことです。

相手にイメージをさせて相手に理解をさせる。

なるほど、という経験をさせる。

こんなことをずっと意識してきたのです。

しかし、恩師が語る姿を見ながら衝撃を受ける言葉がありました。

あなたにはまだこれはわからないと思います。だけど、わからないことをわかってしゃべっています。

新しい人間教育。

それは脳の経験である知の世界を越えた無知を技術として活用する教育です。

無知とは、シンプルにいえば、『消しゴム機能』ということができます。

情報化社会のなかで知っていることは様々な限界を産み出します。

新しい情報との出会いは過去の情報が目を曇らせ、

マンネリになったり、

自分や相手にたいする決めつけは相互理解を妨げます。

しかし、経験を蓄積しても経験から自由になれないのが脳。

脳の機能から自由になることが無知の境地です。

この心の在り方の境地は様々な、

専門分野、技術、アート、サイエンス、

どんなジャンルにも親和性をもつ教育として体系化されています。

その、技術が必要となる

人工知能も誕生する今の時代の背景と、

『無知』を活用する技術について、

相手の様子も見ながらお話をされていきました。

当然ですが、脳の機能の外のお話ですので、

お相手にはまだイメージがありません。

だから、イメージすることが、脳を検索しても出てこないんです。

相手がなんとかイメージをしようと顔をしかめたり、

脳みそをフルに活用している姿が見えるなかで、

こんな言葉が出ました。

『人間は脳の機能として過去の経験を土台に話を聞きます。

過去というフィルターを通してみるので、正確には人の話を聞けないんです。

あなたも今、私の話を聞いているけど聞けない状態なのです。

だからわたしの話はまだわからないのです。

だけど、わからないことをわかってしゃべっています』

この言葉しゃべったときに

その経営者のかたはこう返されました。

『自分の経験からなんとかイメージしようとすることがよくわかります。

それは違うと思うので、

すごくもどかしいです。

そのイメージをちゃんと理解したいので教えてください。』

このように言える、

この経営者のかたも

なんて潔い心のかたなのだろう、と衝撃でした。

変化を産み出すためには相手の世界に無いものと出会わせる必要がある

人生の変化を産み出すためには

その人のイメージの外に出会うことが必要になります。

そのときに

『わかる』

ということはその人の経験のイメージのなかの単語です。

しかし、これは実際にわかったのかというと

こちらのしゃべった情報の

部分情報をキャッチして、

相手の経験に照らし合わせて整合性がとれた、

と、勝手に思い込んだ

『わかる』

かもしれません。

わたしは今までわかることがいいことだと思っていました。

それはしゃべるがわにとっても

聴くがわにとっても。

聴く側も、ついわかろうと努力するし、

わかったということが美徳のような世界もあります。

伝統的にわたしたちにこのような習慣があることは、

それは人間は根本的にわかりあえないことをわかったうえでの最大限の譲歩だったのかも知れません。

わからないことをわかること。

その相互理解を得たときに、

新しい学びがスタートする、その瞬間を目の当たりにしました。

これはしゃべるほうにも勇気がいることです。

今回は尊敬するお二人のやりとりを通して、

発信者としてどんな心で伝えるのか?

その姿勢を試される場となりました。

脳が経験もしたことがない世界。

そこから作る関係性のモデル。

組織、経営。

日本。

そこにいくために必要な切符は、

『信頼』と『勇気』です。

新しい時代の人間は自分の命以上に大切と思える仲間を4人持てるかです。

5人が自分。

あなたにはそんな風に思える人が何人いますか?

本日もお読みいただきありがとうございました。

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